妊娠・授乳読了 約5分

妊娠中の水分、どれくらい・どう飲む?

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つわりの朝、歯ブラシを口に入れただけでえずくのに、まわりは「水分はしっかり」と言う。コップ一杯が壁みたいに見える時期が、たしかにあります。夜中に3回目のトイレから戻る道で、飲むべきか迷う夜も。

この記事では、確認できた数字だけを使います — ACOG(米国産婦人科学会)とEFSA(欧州食品安全機関)。「妊娠初期・中期・後期で目安が変わるという話には実は公的な出典がない」ことも含めて、わかっている範囲だけを正直に整理しました。

まずは要点

  • 妊娠中は水の仕事が増えます — 羊水をつくり、増えた血液を巡らせる。ACOGの目安は1日コップ8〜12杯(約1.9〜2.8L)です。
  • 授乳期はさらに必要。EFSAの目安は妊娠中+300ml、授乳中+700mlです。
  • つわり中は総量より戦略 — 少しずつ、冷たく、食事とずらして。そして何より、主治医の指示がすべての数字に優先します。

なぜ増えるのか — そして具体的にどれくらい

妊娠中、水の仕事は増えます。羊水をつくって保つ、増えた血液に乗せて栄養を胎児へ運ぶ、ふたり分の老廃物を出す。ACOGが妊娠中の水分をわざわざ取り上げて解説するのはこのためです。喉が渇いていなくても、必要量は静かに増えています。

では、どれくらい。ACOGは1日コップ8〜12杯(約1.9〜2.8L)の水を勧めています。EFSAは差分で示します — ふだんの総水分量に妊娠中は+300ml、授乳中は+700ml。ただしEFSAの数字は味噌汁や果物など食事由来の水分も含む「総量」なので、ACOGの「飲む水」とは物差しが違います。そして正直に言うと、妊娠初期・中期・後期で数字を変えている公的な出典は見つかりませんでした — どちらも妊娠期間を通してひとつの目安です。ふだんの基準は1日の水分量ガイドへ、体重からの出発点は計算ツールでどうぞ。

時期1日の目安どこから来た数字か
妊娠中(全期間共通)水をコップ8〜12杯(約1.9〜2.8L)ACOG。1杯=240mlです。
妊娠中ふだんの総水分量 +300ml(総量 約2.3L)EFSA。食事由来の水分も含む総量です。
授乳期ふだんの総水分量 +700ml(総量 約2.7L)EFSA。母乳として出ていく水分を反映しています。
どちらの機関も妊娠初期・中期・後期では分けていません。主治医から別の数字をもらっていれば、そちらが優先です。

つわり中の飲み方 — 少しずつ、冷たく

つらい数週間は、「1日8杯」の採点表をいったん棚に上げましょう。目標は脱水を避けること、それだけです。意地悪なことに、水分不足は吐き気そのものを悪化させるとACOGのつわり解説にあります。喉が渇いたときだけでなく、1日かけて少しずつ — が、この時期のコツです。

  • 一度に半カップまで — 空っぽの胃に一気に入った水は、そのまま戻りやすい。ちびちびが正解の時期です。
  • 冷たいほうが飲みやすい人が多い — 氷をなめるのも立派な水分補給です。白湯が定番と言われますが、つわり中は冷たい水に軍配が上がることも。
  • レモンをひと切れ、または炭酸 — 酸味と冷たさで吐き気が紛れるという声はよく聞きます。ほかの工夫は水をおいしくする方法に。
  • 食事と時間をずらす — 食べながら飲むと胃がすぐいっぱいに。食間に回しましょう。
  • 生姜は試す価値あり — ACOGも生姜茶や生姜キャンディーを挙げています。口の中の嫌な味で水が進まないときは、ガムや飴も助けになります。
WOOMOOLアプリのホーム画面 — 少量ずつ記録された1日の水分
半カップでも記録する価値があります。WOOMOOLに残しておくと「今日は本当に飲めていないのか、思ったよりは飲めているのか」が見える — つわりの時期、この区別は案外心の支えになります。

むくみ対策は「水を減らす」ではありません

妊娠後期の足首は、そもそも少しむくむものです。大きくなった子宮が脚から戻る血流を圧迫し、体の水分量そのものが設計として増えている時期ですから。問題はその次の反応 — 「むくむから水を控えよう」は逆方向です。水が足りないと、体はかえって水をため込みます。この逆説はむくみのガイドで詳しく書きましたが、妊娠中こそ水を減らす理由がありません。

できるのは水を減らすことではなく、こちらです。休むときは脚を心臓より高く、立ちっぱなしを避ける、塩分を控えめに — ラーメンの汁を最後まで飲み干す習慣が、足首にはいちばん効いていたりします。

よくある質問

麦茶やルイボスティーでも水分になりますか?
なります。ノンカフェインのお茶は水と同じように数えて大丈夫です。コーヒーや緑茶も水分にはなりますが、カフェインの上限は別の問題なので、主治医と決めてください。
つわりで水も戻してしまいます。経口補水液を飲むべきですか?
水分がまったく保てない状態は、それ自体が受診のサインです。経口補水液が役立つ場面はありますが、自己判断で乗り切ろうとせず、まず産婦人科に電話を。
夜中のトイレがつらいです。夜の水分を減らしてもいい?
減らすのではなく前倒しを。日中にしっかり飲んで、就寝前の1〜2時間はひと口程度に。1日の合計はキープしたまま、夜だけ軽くする方式です。